東京洋傘(とうきょうようがさ)
主な製造地
台東区、中央区ほか
指定年月日
平成30年3月22日
伝統的な技術・技法
- 三角裁断:
三角木型に合わせ生地を裁断する。裁断したものをコマと呼ぶ。
- 検反:
コマに異常がないか検査する。
- 天紙・ダボ布作製:
共生地の上に専用の型を置き、ゲンノウを打ち付け、天紙とダボ布を作製する。
- ダボ巻き:
骨と生地を直接触れさせないために、骨のダボ(関節部分)に当て布をする。
- ロクロ巻き:
ロクロ(傘の開閉時にスライドさせる部分)を共生地で包み、縫い上げる。
- 中縫い:
円状の生地(カバー)を作製するため、コマを三角形頂点側から露先まで縫い上げる。三角形の頂点側から縫う技法を「関東縫い」と呼ぶ。
- 天紙取り付け、天かがり:
天紙を取り付け、カバーと天紙・天下との隙間がないように縫い上げる。
- 口とじ(口づけ):
カバーの中縫いの先端に露先を取り付ける。
- 中とじ:
カバーを親骨に縫い付け固定する。
- 菊座作製・取り付け:
菊座(共生地を細かく縫込み、菊の形のように整えた部品)を作製し、骨の先端に取り付ける。
- 陣笠取り付け:
骨の先端に陣笠を取り付ける。
- ネーム(胴ネーム、口ネーム)作製:
ネーム(閉じた傘をまとめる際に使うバンド)を作製し、取り付ける。
- 手元取り付け:
接着剤で中棒と手元を固定する。
- 検品:
歪み、生地の汚れ、動作確認等を行う。
伝統的に使用されてきた原材料
絹、綿、麻
沿革と特徴
江戸時代後期に洋傘は西洋から渡来。1854年(安政元年)にペリーが日米和親条約締結のために浦賀に来航した際、船長ハリスが洋傘を持ってきて、世間の注目を浴びたと言われる。その後、東京の職人たちは高価であった洋傘を自らの手で作ろうと試行錯誤を繰り返し、1872年(明治5年)に洋傘製造会社が組織され本格的な生産が始められた。
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