36.江戸からかみ

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「江戸からかみ」とは、 襖や屏風などに貼られる加飾された和紙のことです。 版木を使った木版摺りや伊勢型紙を使った捺版摺り、 刷毛を使った引き染め、砂子手蒔きなど技法は多彩です。 もともとは平安時代に中国から渡来した紋唐紙を 日本の和紙を地紙に模倣したもので、 京都で和歌をしたためる詠草料紙として作られていました。 中世になると襖や屏風に用いられるようになり、 江戸時代には多くの唐紙師がからかみをつくるようになりました。 「江戸からかみ」は、 木版摺りだけを重視した「京からかみ」に対し、 木版摺りを基調としながらも 型紙による捺染や刷毛引きなど多くの技法で作られるのが特長です。 その文様は、武家や町人の好みを反映した自由闊達で粋なものでした。 その後幾たびの戦火や大火に遭いながらも そのつど職人の手により復刻され、 今も人々の暮らしに彩りと安らぎをもたらしています。