『片切りタガネを作るトコロをご覧にいれましょう!』


タガネは彫りにあわせて足りなければ作ります。

普段はチャチャチャと作ってしまうタガネですけど、

今回は写真撮って解説してみましょう。


タガネは通常「カブ」と呼ばれる棒状の素材で作ります。
が、今回作るような大きめの片切りに適した「カブ」は
そうそう市販されていません。
ということで、もう切れなくなったヤスリで作ってみようと
思います。

2本とれるね。


まずは「なまし」ます。
柔らかくして加工しやすくするワケですね。

ゴー!真っ赤っかです。
触ればモチロン大やけど。
このまま、トンテンカンと叩いて刀でも作ろうか?
なーんて冗談思い浮かべながらやってます。


金ノコで程良い長さに切ります。

万力に固定してギーコ、ギーコ。


水平グラインダーで荒削り。
鉄粉が部屋に飛び散るのがいやなので外でやっています。
でも、火花が出る図は男の子としてはいくつになっても
興奮します。表にださないけど。

テーブルの端、ヤットコの両側に見えるのは、手前が今回
作るもう1本、奥が形状の参考にしてる祖父のタガネです。


ヤスリを用いてカタチを整えます。
丁寧にやらないと削り過ぎるんで、慎重に
進めます。


真ん中が祖父のタガネ。
同じ角度になるようにします。

こんなもんかな。


砥石でとぎます。
ヤキ入れるともうカタチを変えられないので
ここでしっかり作り込んでおきましょう。


いよいよ、ヤキ入れ。
真っ白になるくらいまでにして、


一気にジュッ!

水につけるときは、なるべく垂直につけるのが
大事です。
間違っても放り込んだりしてはいけません。
曲がってしまうことがあります。

ヤキ入れをしたら、ヤスリを軽くあててみます。
言葉で表現は難しいですけど、カリカリに入って
いれば、まったく歯が立たない感覚が手に伝わって
くるハズです。


で、少しヤキを戻します。

上の状態だと、硬すぎてポロッと欠けてしまう可能性が
高くなるからです。硬すぎず、柔らかすぎずという状態に
する為ですね。

刃先から3cmくらいに細ーい火をあてます。
スーッと色が変わってそれが刃先に伝わったトコロで
すばやく離します。いくつか方法がありますが、最近
ウチでやってるのはこの方法です。

一発でこのヤキ入れ〜ヤキ戻しまでを決めるのは結構
難しいですけど、今回は一回でうまくいきました。


角を面取りします。
彫りあとの角度がなめらかな感じになります。
「しゃくり」と呼んでます。


写真の右側はすでに「しゃくり」にしてあります。
分かりづらいですけど、左側と少し角度違って
ますよね。

どのくらい面取りするかは、なかなか難しいです。
もっとつけてもいいんですけど、とりあえず
最初はこの程度にしておきましようか。


青粉で磨きます。
ピカピカにします。
仕事人って気持ちになってきます。(^^)


試し彫り。
ちゃんと切れるかな?彫った感じはどうかな?と
期待と不安で何回やっても緊張します。

いいようです。よかった、よかった。


できあがった2本。
左は幅はいいけど、少し薄いです。
いいカブが見つかったらまた作りましょう。

2008.2.7-8



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